某国に技術移転シリーズ8 「プログラムが自動消滅する!事件」 |
千葉県民 ◆P7zGfVUkPs氏 |
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313 名前:千葉県民 ◆P7zGfVUkPs 投稿日:2005/07/28(木) 02:28:36 ID:0vCCF8SI
えーと、困ったことでネタがありますが、投下してよろしいですか?
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319 名前:千葉県民 ◆P7zGfVUkPs 投稿日:2005/07/28(木) 02:31:47 ID:0vCCF8SI
それでは、お言葉に甘えて。
海峡を挟んだ日韓間抜け合戦
今回は、お笑いとシビアが半々の長編になります。
今回のお話は、今までの軽い話と異なり、多少の苦みが加わります。
筆者も、いつもいつも笑い話で済ませているわけではありません。
かなりの長編になりますので、例によって途中に息抜きの為のギャグが入ります。
前書き・・・いつもの説明
前書きの好きな、ドイツのケストナー(子供向けのユーモア小説エミールシリーズで有名)の
言葉を借りるとこうなります。
「前書きの無い投稿はない。という命題は真かどうかわからないが、その逆は全く正しい。
投稿の無い前書きはない。」
話としては、青空工場(苦笑)の続編になります。
ここまでの経緯を知りたい方は、まとめサイトの技術移転シリーズの1を見ていただくと
この話がよりいっそうお楽しみになれます。
某国の方々は「ウリナラこそはIT技術先進国」と、胸を張ります。
それにもかかわらず、筆者が某国の工場で関わった某国人は「一人残らず」そんな事を
口に出すことはありません。さすがに現在進行形で技術移転を受けている側ともなると
某国人も現実を認めざるを得ないのでしょう。
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320 名前:千葉県民 ◆P7zGfVUkPs 投稿日:2005/07/28(木) 02:33:51 ID:0vCCF8SI
承前
この商売をやっていると、やはり経験則というのがあります。
そのなかで最大の物は「最初(納入時)で躓(つまづ)いた機械は、ろくな事にならない」
この躓きと言うのは、運搬時の事故であったり、営業や商社の不手際であったり、寒空の
半島で恒温工場に屋根がなかったり(苦笑)と言うことを指します。
(恒温工場は文字通りの意味で、温度が一定に保たれている工場の事を言います。
ただし、ここでは温度、湿度などが常にコントロールされている工場のことです。)
なんで、そんな七面倒くさいことをするかというと、ミクロン単位の勝負になる精密機械
を製造する場合には、その製造装置、組立共に温度を厳重に管理する必要があるからです。
さて・・・この業界では、どのような装置にも水は冷却や洗浄、動力源などとして重要な
位置を占めており、厳密に規定された物が供給されます。
加工装置の製造メーカー(例えば県民の居る会社など)では、出荷する前に必ず試運転を
行い、性能が仕様通りに出来ているかを確認してから、品質保証室が保証書を発行し
納入となります。
機械が搬入、据え付けをされたのは半島の二月の寒空の下でした。
しかも青空工場と来ています。某国においてはミネラルウォーターの瓶は必須のアイテムで、
必ず持ち歩きます。某国において、エビアンやボルヴィックの瓶が如何に神々しく
見えるかというのは、経験者でないとなかなか感覚としてわからないかと思います。
その2リットル入りのミネラルウォーターの瓶を現場に置き忘れていくと、翌日の朝には
カチンカチンに凍っています。さすがは大陸性気候です。と行っても外気温と同じ工場と
言われればそれまでなんですが。
それを見た組立が露骨に厭な顔をしました。
組立「県民さん・・・これは後を引きますよ」
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322 名前:千葉県民 ◆P7zGfVUkPs 投稿日:2005/07/28(木) 02:35:33 ID:0vCCF8SI
承前
それは筆者にも理解が出来ます。日本で試運転をするときに、必ず水を供給しますが
機械内部に残留する水分が、この寒さで凍り付き膨張して精度に狂いを生じるのです。
わかってはいます。わかっては居るんですけれど、工場には屋根もなければ、空調もない。
暖房は外で焚き火(これ、重要です・・・)。
かといって加工機のガソリン焼きを作るわけにもいかない。
戦前の日本戦車のように、加工機の下で焚き火をするわけにもいかない。
今回の検収は、非常に困難な物になりそうです。
業界用語が理解できない方の為に言っておきますと、検収というのは
「はい、確かに仕様通りの物を受け取り、仕様通り動くことを確認し、教育訓練も無事に
終了した事を確認します。だから機械の代金を支払います」という詰めの事です。
この書類に判子(またはサイン)をしてもらうためにという、逆に言えば
「筆者は会社に、この詰めの為に存在している」といって良いほど重要な書類です。
営業と商社が如何に頑張ろうと、筆者がどのように加工技術を開発しようと、この一点に
結果は全てかかってきます。お金が入って初めて会社は運営できるからです。
筆者の上司は昔、こう表現しました。
「右に倒れれば、血の池地獄、左に倒れれば針の山、前進するところには地雷原」
さらに某国では、これが加わると思います。
「後ろから某国人の機関銃弾」
筆者は旧ソ連の懲罰部隊に放り込まれた覚えはないんです。某共和国の懲罰部隊も
ここまで酷くはありますまい。
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324 名前:千葉県民 ◆P7zGfVUkPs 投稿日:2005/07/28(木) 02:37:04 ID:0vCCF8SI
承前
第一の某国側援軍 焚き火
第二の某国側援軍 砂埃
第三の某国側援軍 氷
第四の某国側援軍 要らん事しい
第五の某国側援軍 会社の取締役
第一の某国側援軍 焚き火
コンテナで機械を搬送する場合、精密機械ですから、梱包剤には必ずショックセンサー
なるものが取り付けられ、搬送中にぞんざいな扱いがなされていないかどうかを確認
できるようになっています。
ショックセンサーの説明 ttp://www.cazoo.jp/hardware/dismount/shocksensor/
当然某国の港湾から運ばれてくるわけですが、ここの住人の方々ならわかるとは思います。
繊細。とか慎重。とか丁寧。とかいう単語が辞書に載っていないと予想される民族の方々
です。さて、組立が到着した梱包のセンサーをチェックすると・・・!
これは酷い。大半が衝撃を受けていたそうです(伝聞情報)。
さて、これからが斜め上の展開なんです。
ショックセンサー付きの梱包は、保険屋さんに連絡するにも、運送屋さんに文句を
言うにも大切な証拠です。それを、某国人が暖を取るために梱包材を解体して燃やして
しまいました(血涙)
当然、組立の想定の範囲を超えており、筆者も組立も笑ってしまう状況です。
事態が進展するにつれて、その笑いが凍り付くとも知らずに・・・・・・
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326 名前:千葉県民 ◆P7zGfVUkPs 投稿日:2005/07/28(木) 02:39:51 ID:0vCCF8SI
承前
プログラムが自動消滅する!事件
加工機には、加工の順番を厳密に規定してあるプログラムが用意されており
このプログラムがないと、加工は絶対に不可能です。
そのプログラムがなぜか、消失するという事件が発生しました。
驚くのは筆者とオペレーターです。プログラムには第三者がいじれないようにするため
プロテクトがかけてあるはずなのです・・・・・・が。
高価な機械ほどそうなのですが、24時間運転をして、少しでも原価消却が早くなるようにします。
交代制勤務と言うことです。始まりました昼勤と夜勤の言い争い。
プログラムは控えが取ってありますので、致命的な問題にはならないのですが・・・
「お前が消したに違いないニダ!」
「いや、ウリは知らないニダ!おまえだろう!」
「アリランアリランアラリヨー!!」
「モマエノカアチャンデベソ!!」
「ヌルポ!」
「ガッ!」
「××××××(覆声音)」
「アイゴー!(以下自粛)」
「ケッセッキ!」
「パンチョッパリ!」
「チンイルパ!」
「チンミパ!」
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327 名前:千葉県民 ◆P7zGfVUkPs 投稿日:2005/07/28(木) 02:41:10 ID:0vCCF8SI
承前
筆者には意味は良く聞き取れませんが、聞こえていても居なくても根本的に違いは
ないでしょう。実際には、筆者の想像と対して違わないことを喚いているはずです。
内容はご想像にお任せしますが、もう完全に二人だけの世界を形成してしまいました。
実はこの事件の裏にはある人物が関わっているのですが、この時点ではまだ判明して
いません。
第五の某国側援軍 会社の取締役
あまり検収が遅れるので、ついに県民の会社の取締役から直接の電話がやってきました。
取締役「一体全体なにをやっているのだ!」
県民 「実はかくかくしかじかで・・・」
取締役「あー?聞・こ・え・ん・な・あ(本当にこう言った)」
県民(あんたはウィグル獄長か!)「今は良くても将来どうなるかわかりませんよ」
取締役「なにが在るかはわからんが、とっとと検収をあげてこい!」
県民 _| ̄|○
上からの指示です。(トホホ)泣く泣く検収をあげ、帰国しました。
工場にて、筆者の出張報告書を見て頭を抱える県民上司。
実は、取締役の行為は、「筆者の直属の上司の頭越し」に行われている物だからです。
それも飛び越したのは一つや二つではありません。これが組織の中でどれだけ重大な
違反かは、後々響いてくることになります。
県民「私は以後の責任もてませんよ。」
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330 名前:千葉県民 ◆P7zGfVUkPs 投稿日:2005/07/28(木) 02:43:32 ID:0vCCF8SI
承前
数ヶ月後、組立の予言は的中しました。本社の方で何か騒ぎがあったようです。
半島へ、組立がシャトルの様に部品をハンドキャリーして勇ましく出撃していきます。
県民上司「来たねえ(´∀`)」
先輩 「来ましたねえ(・∀・)」
県民 「来ましたねえ(−∀−)」
縦に並べると、まるでトーテムポール。
某国人来襲!
工場勤務の気楽さで、本社の騒ぎを対岸の火事と見ていたこちらにも、火の粉はかかって
きました。本社の方に突如青空工場の社長が来臨され、友好的に罵りつつ営業の首を
(文字通り)締め上げてくださったそうです。半島式友情表現かもしれませんが、ちと
営業には刺激が強すぎたようです。
県民上司「(その報告を営業から受けて)さて、「半島にエンジニアを派遣してくれ」
と本社から要請が来たわけだが」
上司、先輩、後輩達「(・∀・)ジー」
県民「なんで私を一斉に見るですか!」
先輩「お前を見ないで誰を見る」
組立に行って、現在状況を尋ねます。幸いメカ的なトラブルはほとんど解決されていて
運送時の問題は本社の法務部などの担当ですから、こちらには直接関係がありません。
最大の問題はプログラム消失事件です。
二人のオペレータは、自分が不利益を被るだけなのでシロです。
となれば、あとは保守要員か、第三者ですが・・・・
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332 名前:千葉県民 ◆P7zGfVUkPs 投稿日:2005/07/28(木) 02:52:32 ID:0vCCF8SI
承前
二人のオペレータが機械の前にいないのは、引継の時だけです。
筆者が機械に隠れてまっていると・・・・来たのは事務屋の部長でした。
なんと、プログラムのメモリをいじっています。
彼がそそくさと去った後を見ると、プログラムが消えています!
県民「あんたか_| ̄|○」
判明したことは、単なる嫌がらせと言うわけではなく、ただの好奇心からの行為でした。
キーの使い方がよくわからない部長が、操作ミスでプログラムを消してしまっていた
のです。
今回はここまで。
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346 名前:千葉県民 ◆P7zGfVUkPs 投稿日:2005/07/28(木) 03:21:52 ID:0vCCF8SI
最近、思うのですが、625で好奇心一杯の人間は、ブービートラップなどに
引っかかって、死んでいるはずなんですよ。
いま生きて某国にいるのは、まだ慎重派の筈なんですが。