205 名前:生駒 ◆S3iyOiMLIA 投稿日:03/09/19 22:18 ID:iJB8j8a+
では、以前のR君ネタです 序文がちょっとうっとうしいですが
自称”日本大好き”R君ですが彼は日本に来る際、韓国でかなり間違った知識を仕入れてきたらしいです
彼曰く
「日本の家には必ず刀とPSが常備されている」
………どんな家だそれは
R君 「だから、日本刀を見せてくれ」
奥さん「そんなものはありません」
R君 「◎○寺の家宝なのはわかる、決して汚したりしないから見せてくれ」
奥さん「だから!そんなものはありません!!」
R君 「日本人のけちーーーー!!」
ほとほと困り果てた◎○寺の奥さんは私に相談してきました
奥さん「ということなんだけど、助けてくれない?」
私 「なかなか、困った人ですね。R君は」
奥さん「日本刀を見るまで韓国には帰れないとか言っているし、どうしたものかしら」
私 「まかせてください!この間、一振りGETしましたから♪」
奥さん「Σ( ̄□ ̄;なんで、そんなもの持ってるの!!」
私が日本刀を手にするまでのエピソードは流石に板・スレ違いなので割愛します
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206 名前:生駒 ◆S3iyOiMLIA 投稿日:03/09/19 22:21 ID:iJB8j8a+
そんなこんなで、我が家にやってきたR君
早速、日本刀を見せてあげる
R君 「す、すごい」
私 「鉈の威力と剃刀の切れ味を併せ持つ、世界でも最強クラスの白兵戦専用武器だ」
漫画版で仕入れた拙い知識を披露する私。
R君 「それに綺麗で優美だ」
私 「これは単なる鉄の塊じゃない。千層を越すほど折り返した鋼を使い、さらに、性質の違う鋼を
内、外、刃に棟、場所により使い分けることによって{折れず、曲がらず、よく切れる}とい
う矛盾を成り立たせた、世界に誇れる至高の一品だ」
やはり、ラノベ板で仕入れた胡散臭い知識を披露する私。
R君 「凄いなあ。………この刀、僕に譲ってくれない?」
私 「税関通らんだろ、これ」
R君の無茶な要求をあっさり退ける
R君 「そっかあ、残念だなあ」
私 「代わりといってはなんだが写真に撮ってあげよう」
剣道着に着替え刀を構えたR君を写真撮影。彼は非常に喜んでいました。
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207 名前:生駒 ◆S3iyOiMLIA 投稿日:03/09/19 22:22 ID:iJB8j8a+
そんな事があってから、R君は私に付きまとうことになります。
ある日、R君はとんでもない事を言い出しました。
R君 「君の職場(仕事)を見学したい」
実を言うと、私はとある葬儀場で働いています。仏教に興味のあるR君は日本式の葬式を是非とも
見たかったらしいです。とはいえ、葬式を見学……なんというか非常に不謹慎な感じがしたので断り
ました。
R君 「日本人のけちーーーー!!」
私 「いや、そんな事を言われても…」
駄々をこねられた私は、上司(というか社長)に相談してみました。
社長 「なかなか殊勝な心がけの留学生じゃないか。見学くらいいいとも」
私 「本当によろしいのですか?」
社長 「君は知らないのか?葬式を見学しに来る人は結構多いんだよ」
私 「初耳です」
自分の生活には縁遠いものだろうと考えがちな葬式ですが、人間生きていれば2回か3回かは葬式に
ぶち当たります。その時になって慌てる人の多いこと多いこと。
参列者は焼香の仕方や香典の金額さえ知っていれば事足りますが、遺族の方々はそうはいきません。
僧侶に連絡→臨終勤行→納棺→通夜→葬式→7日参り→49日が大雑把な流れですが、それに加え、
死装束の着付け、親戚への連絡、葬儀場・火葬場の予約、香典・参列者の記帳などいろいろあります。
その時になって慌てないように、葬式の手順を聞きに来られる方や見学される方が時たま私の職場に
訪れるそうです。
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209 名前:生駒 ◆S3iyOiMLIA 投稿日:03/09/19 22:24 ID:iJB8j8a+
次の日、R君は手土産(正体不明の赤い食物と日本酒ー立山ー)を持って社長に挨拶をしに来ました。
礼儀正しいR君を見て、すっかりR君を気に入った社長。
そう、あの時はまだあんな悲劇(というか喜劇)になるなんて、誰も思っていなかったのです。
その日は空は薄ぼんやりと立ち込めた、まるでこの後起きる出来事を暗示するような不吉な空模様。
まあ、ある意味これ以上ないと言っていいくらい葬式日よりな空模様でもありましたが…。
その日はなんと葬式が3件も入りスタッフは大忙し、なんとか私の担当の葬式が終わって一息ついて
いたところ。スタッフの1人Sさんが慌てた様子で駆け込んできました。
Sさん「生駒さん大変です。ちょっと助けてください」
私 「はっはっはっ。トラブルを一人で処理できるようになったら一人前だ。がんばれ」
Sさん「そんなこと言わないで助けてくださいよ〜」
私 「突然だが、夕飯には焼き鳥が食べたい」
Sさん「えっ!?それはもしかして・・・」
私 「焼き鳥が食べたい!」
Sさん「……給料日前なんですけど」
私 「焼き鳥が食べたいなあ」
Sさん「生駒さんの意地悪〜〜!!」
Sさんは可愛いもんでついつい苛めてしまうんですよねえ。まあ個人的嗜好はさておき、私は問題の
あった葬儀場に向かいました(ちなみに焼き鳥は私の方が奢ってあげました)。
そこで、恐るべき光景を目にしたのです。
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210 名前:生駒 ◆S3iyOiMLIA 投稿日:03/09/19 22:25 ID:iJB8j8a+
それは異様な光景でした。
本来、葬式というものはしめやかに行われるべきものです。少なくとも私はそう信じていました。
しかし、その常識を覆す光景が目の前に広がっていたのです。
私 「……なんで、みんな爆笑してるんだ?」
Sさん「……生駒さん、原因はあれです」
Sさんの指差した先には遺影がありました
<豆知識>
遺影とは故人の残した写真のうち、最もいい表情をした物を引き伸ばし使います。
では、写真嫌いの人の遺影はどうするのでしょう?
大抵は免許書の写真を使ったりするのですが、それがない場合はどうなるかというと…
とんでもない写真が遺族の方たちに選ばれることになります
具体的に言うと
真っ赤なスーツを着た80くらいのおじいちゃんがニヒルな笑みを浮かべながら親指を立てている遺影。
Sさん「………どんな状況での写真だったんでしょうか?」
私 「………かくし芸大会とか忘年会とか、そんな状況だったんじゃないかな?」
Sさん「この状況、どうしましょう?」
私 「担当のT君はどこ?彼が収めるべき事態だろう。これは」
そこへT君がこちらに向かって走ってきました。
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211 名前:生駒 ◆S3iyOiMLIA 投稿日:03/09/19 22:26 ID:iJB8j8a+
T君 「先輩〜〜!!大変です〜〜!!」
私 「見ればわかる、災難だったな、後はがんばれ♪」
T君 「そんなあ〜〜!!」
ちなみにSさんとT君は兄妹です。ついつい苛めたくなってしまう所は流石、兄妹。
というか、社長の親戚なんですよね。
私 「どういう状況でこうなったんだ?」
T君 「それが……」
T君が言うには、最初は参列者の方々も笑いを堪えていたらしいです。
そして、微妙な雰囲気のまま葬儀が始まりました。
葬儀も半ばまで終わった頃、遅れてきた参列者の一人が葬儀場へ入ってきました。
見なけりゃいいのに遺影を見て
「ぶふっ、くっくっくっ」
ついつい、吹き出してしまったそうです。それが伝染したのでしょう。笑いの渦が会場中に広がりました。
私 「そうか、で、そんな愉快もといはた迷惑な事をしたのは誰だ?」
T君 「あの方です」
T君の指差した先にはR君の姿が……こちらの苦労も知らず暢気にゲラゲラ笑っています。
後でどうしてくれようあの野郎
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212 名前:生駒 ◆S3iyOiMLIA 投稿日:03/09/19 22:27 ID:iJB8j8a+
T君 「で、どうしましょう?この状況」
私 「どうするって、笑いを収めるしかないだろう。元の厳粛な雰囲気に戻すんだ」
T君 「そんな!!無理ですよ」
私 「黙れ!俺も貴様も葬式という病気だ! 行くぞT君!! 奴らに葬式を教育してやる」
前日にある漫画を読んだせいで違和感なくこの台詞が出てきました。で、すったもんだの末、
爆笑の渦を収めることに成功しました。
葬式後
私 「………R君」
R君 「(正座中)…ごめんなさい。でも、でも、あの写真…」
T君 「確かに笑うよねえ」
Sさん「あれは笑いますよ」
R君 「でしょ、でしょ」
私 「正座10分追加だ、R君」
R君 「(´・ω・`)」
社長 「あれはしょうがないよなあ(苦笑 私も笑ったし」
社長………あなたもですか………
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213 名前:生駒 ◆S3iyOiMLIA 投稿日:03/09/19 22:29 ID:iJB8j8a+
なぜか、これが縁でR君はわが社にバイトとして雇われることになりました
バイトのR君が巻き起こす騒ぎについてはまた別の機会に
<END>
追記:R君には合計30分、座布団なしの板の間で正座をしてもらいました