米国留学時
一日一韓氏 1 2 3 4




20 名前:一日一韓 投稿日:03/11/17 16:15 ID:dhNO9Llq


新スレおめ&乙。一本、思い出話を投下します。 

 今から十五年以上前、私はアメリカに留学していました。 
 その日はクラスで「各国の料理を持ち寄って昼食会」というイベントがありました。 
それぞれが自国の料理を開陳し、異文化コミュニケーションの振興を目的に行われました。 
こういうとき、無茶苦茶強いのが台湾君です。中華料理、向かうところ敵なしです。 
ついで南米。メキシコ、ブラジル、エクアドル他、距離が近いと材料も手に入りやすい。 
日本料理は、というと、意外に材料が揃わないのです。刺身、ってわけにもいきません。 
日本コンビは、Hさんが昔料理人をしていたこともあって、 
「足らぬ足らぬは工夫でカバー」作戦に出ました。Hさんの飾り包丁で、「見せる料理」を! 
ま、私は何もやってないんですけど。 
近くの豆腐屋(日本人経営。ベジタリアンレストラン併設)に渡りをつけ、 
豆腐・大豆料理で勝負をかけました。なぜか豆腐が具の餃子とかあったのを覚えています。 
いや、豆腐をそのまま入れるのではなく、大豆から作った肉みたいなのがあり、 
それを活用したのです。イラン君をはじめとするイスラムの人は豚食べられないし。 
大豆肉モドキが入ったガンモドキや、揚げだし豆腐、餡かけ厚揚げ等々……。 
さらに盛り付け時に飾り包丁の入ったキュウリやニンジン。すげえ。 
ま、私は何もしてないわけですけど。 
(テンプラを揚げようという話もあったのですが、火力と法の問題がクリアできず、断念) 

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21 名前:一日一韓 投稿日:03/11/17 16:17 ID:dhNO9Llq


 さて、いざ勝負の日、キャンパスに各国の料理が並べられました。 
ひときわ目を引いたのは、やはり台湾君でした。どこから料理を引っ張ってきたのか、 
質・量ともに、各国を凌駕しています。当たり前のことながら、(゚д゚)美味ー。 
ブラジル君(豚の耳料理とかがあった)やメキシコ君(豆料理主体)とともに食いまくりました。 
一方、豚(というか肉全般)がダメなイラン君は日本の大豆肉モドキに驚愕していました。 
飾り包丁も概ね好評でした(でも台湾君がすごすぎて目立たなかった)。 
となると、次は韓国君なのですが、韓国料理にはなぜか人が寄っていきません。 
それもそのはず、見た目が……。鬼も裸足で逃げ出すほどに、通常の三倍、真っ赤。 
お味のほうは……。衝撃の赤。ブラジル君が「なんだよ、全部味が一緒じゃん」と呟き、 
韓国君乾坤一擲のキムチは、ペルーちゃん(←えれえ美人。韓国君が猛烈な 
アタックをかけていたおねえちゃんです)の「何、これ、生臭い」の言葉の元、玉砕。 
意気消沈かと思われた韓国君でしたが、違いました。彼には秘策があったのです。 
「ねぇねぇ、台湾君も日本君も仲間だニダよね」 
へ? 突然、変なことを言い出しました。アジアの国という意味ではそうですが……。 
韓国君はこう言いたかったみたいです。 
「韓台日、我らアジア箸使いトリオ! ニダ」と。 
器用に箸を使って食べ物を口に運ぶ韓国君。お前等もやってみろよとばかりに 
箸をみんなに渡しています。台湾君と私も箸を供出しました。お箸の強制連行です。 
しばらくはイラン君やメキシコ君、ペルーちゃんたちも使い慣れない箸にきゃぁきゃぁ言ってました。 
と、ここまではよかったんです。 


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22 名前:一日一韓 投稿日:03/11/17 16:23 ID:dhNO9Llq


 韓国君がみんなに渡した箸は鉄製(正しくはステンレス)で、重くて慣れない人には 
どうにも使い勝手が悪いのです。みんなが離れていきます。 
加えて、日本が誇る割り箸(竹製)はパキンと一回割るアクションがあるためか、 
非常に人気が高いのです(ちなみに、台湾君が持ってきた箸はプラスティック製でした)。 
この状況に、ついに韓国君がキレ始めました。 
「おまえらな、日本なんてのは中国様からウリを通して文化が伝わり……(略)ニダ」 
出ました、いつものやつです。しかし、みんなはポカンとしています。 
そりゃそうでしょう。そんな理屈が通じるのは人のいい日本人だけです。 
当時の私は「そうかもしれないねえ」などと呑気に思ってましたが、台湾君は違いました。 
「おまえパカか? 台湾も韓国も昔、五十年前は日本だったアルヨ」 
おおお、っとどよめくみんな。私も台湾君がこんなことを言うとは思いませんでした。 
白熱する議論。韓国君は顔が真っ赤です。多分、ファビョっていたのでしょう。 
お食事会がとんでもないことに発展しるヨカーン。韓国君の箸が宙を切りまくります。 
 韓国君の箸がペルーちゃんの目の前を通過して、彼女がヒャッと悲鳴を上げました。 
そのときです、Hさんがすくっと立ち上がって韓国君に後ろから近寄っていきました。 
むんずと肩を掴み、自分のほうを向かせて、目で威嚇しながら静かにこう言いました。 
「てめえ、鉄の箸なんか振り回してんじゃねえよ、ヴォケが(←日本語。ドス利き度100)」 


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23 名前:一日一韓 投稿日:03/11/17 16:25 ID:dhNO9Llq


 空気は絶対零度、通じないはずの日本語が韓国君を凍りつかせました。 
Hさんは同じ内容の言葉を英語で言いなおして、韓国君に箸を置かせました、 
韓国君の目を見つめたまま。 
 どれだけの時間がたったでしょうか、多分、数秒だったと思いますが、 
Hさんはみんなのほうを振り返りながら、にこやかに 
「危ないからお箸は振り回しちゃいけないよ。まぁまぁみんな、マターリしようよ」 
と言い放つと、箸でキムチをつまんで自分の口に放り込み、ペルーちゃんに 
「こんなに美味しいのに、やっぱりダメ?」 
と話しかけました。空気が常温に戻りました。 

 こんなことがあって、韓国君は今度こそ意気消沈、涙目になってました。 
でも、次の日は意気揚揚と学校にやってきました。めげないところは長所だと思います。 
私たちにとっては迷惑でしたけど。 

 学生の仕事場は学校ということで、ご容赦を。 
長い割には今一つですね。あまり困ってないし。スマソ 精進いたします。