あの夏の日のノコギリクワガタ |
3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A氏 |
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614 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:01:35 ID:HiGa8C20
私が小学校のときの、在日絡みの夏の思い出です。
毎年、夏が来ると、必ず一度は実家での話題になります。
家のものには、「カブトムシ事件」といわれています。
実際に事件の発端になったのは「クワガタムシ」なのですが、
カブトムシ事件なのです。
結構長い話になりますが、載せてよろしいでしょうか?
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618 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:04:44 ID:HiGa8C20
もともと、この掲示板の存在を知ったときには、この話を載せるつもりだったのですが、
タイムリーにKとの対立が激化してしまい、そっちを先に載せてしまいました。
私とY君とは、私が小学校のときからの知り合いです。
私の実家は田舎の旧家で、Y君のお母さんは遠い親戚です。
また、お父さんは、一時期、わが家の仕事の取引相手でした。
田舎ならでわの、濃い人間関係ですね。
余談ですが、私が高校のとき、Y君が時々勉強を見てくれていました。
しかも、その都度、大学での楽しい話を聞かせてくれます。私はその話を聞いて、
彼と同じの大学・学科を志望したのです。
でもね、Y君は2歳年上ですから、大学に入学した時は、「同級生」になるとは
思っても見ませんでした。
ところが、Y君は大学を2年休学したので、私と同じ学年になってしまい、
その上、私は例のK絡みの事件で、志望していた講座に入れず、なんとY君と講座まで
同じになってしまいました。
妙な縁です。
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619 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:06:16 ID:HiGa8C20
私が小学生のときの話です。たしか5年だったと思います
夏休み前に、私の姉が足を捻挫し、家から外に出られない状況になりました。
Y君は、「姉の相手をする」という名目で、ほとんど毎日家に来ていました。
いや、正確には、「来させられていた」のです。
Y君自身は、来たくなかったらしいのですが、彼のお母さんに言われて、家に
来ることを強制されていたのです。
当時から武道少年だった彼にとって、女子高生の家に、毎日通っていることは、
ずいぶんと恥ずかしいことだったようです。
彼は、学校や道場の友人に、この事実が知られるのを心配していました。
私は当時小学生。Y君は中学生。私の姉は高校生。
確かに姉は足を怪我し、外にはいけない状況でした。
でも、元々姉は、無口で一日中家の中で本を読んでいるような性格。
話相手としてのY君は、それほどは必要ないのです。
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620 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:08:03 ID:HiGa8C20
旧家の後とりが、姉と私の二人姉妹。
男の子一人に、親戚の女の子二人というと、このスレッドの有名投稿者、陸○氏の
初体験のようですが、Y君とは、そういうことは全くありませんでしたよ。
……いや、違う違う。
旧家の後とりが、姉と私の二人姉妹。
家を継続するのは、私か姉、どちらかが婿養子を迎える必要があります。
今考えると、どうも「Y君を姉の結婚相手に」という、私の親とY君のお母さんの
計画があったように思うのです。
現在、姉はある男性を婿養子に迎えて、家を継いでいます。
Y君は、ウチの婿養子にならなかったわけです。
理由は、「姉がY君より年上」と「Y君には妹さんがいますが、他に男の兄弟はいない」
といくつか考えられますが、どうも、当時の私がY君を独占したことも、結果的に、
計画を邪魔したように思います。
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622 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:12:00 ID:HiGa8C20
自分でいうのもなんですが、私は、かなりのワルガキでした。
「日に焼けないため」に、という理由で母にいわれて、いつもつばの広いの帽子を
かぶっていました。
「女の子らしくするため」ということでスカートもはかされていました。
でも、その格好のまま、橋の上から下の川にダイブし、農家の軒下にはいりこみ、
犬に眉毛をかき、エアガンで庭のトマトを狙い、毛ばりでカエルを吊り上げ、
そのカエルの口に爆竹を突っ込んで爆発(最終兵器!)させ、という風に、
今思い出すだけでも、自分でも頭の痛くなるような、悪行の限りを尽くしておりました。
実質上、私の子守だったY君は、これらの私の悪戯のほとんどに付き合わされていたのです。
う〜む。中学生だった彼にとっては、相当なストレスだったでしょうね。
彼の忍耐強さは、私によって鍛えられたのかも。
当時、私の近所の子供の間では、カブトムシやクワガタを集めるのが、大流行していました。
大抵は、男の子がやる遊びなのですが、当時の私も夢中になって、カブトムシやクワガタを
集めていました。
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624 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:14:08 ID:HiGa8C20
ノコギリクワガタは大型になると、2本の大顎が、独特の形に湾曲します。
私たちは、それを「ドロップ」と呼んで珍重していました。
私の実家のある山の周辺は、何故か、ノコギリクワガタが少なくて、特に大型の
「ドロップ」はめったにおらず、それを保持していたものは、それだけで、
悪ガキどもの仲で、威張れたのです。
Y君は、近所の山の中のこれらの虫があつまるポイントを良く知っていて、
その上、木に塗る蜜や、虫を捕まえる罠にも詳しかったのです。
私が、彼を姉から切り離して、必死に「独占」したのも、それが理由でした。
私は毎朝四時半に起き、Y君の家まで行って、彼を叩き起こし、彼の自転車に
二人乗りして山まで行って、罠を見て虫を採集して周り、その後、朝のラジオ体操へ。
そして、朝食を済まして、昼寝。
午後になると、午前の空手の稽古を終えたY君がくるので、その後は外に出て、
Y君に注意を受けながらも、いたずら三昧というのが、その夏の私の日課でした。
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626 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:16:44 ID:HiGa8C20
これらの努力により、私は、その夏、大型のノコギリクワガタ「ドロップ」を
確か5匹は手に入れていたように思います。
特に、そのうち一匹は、超特大サイズでした。このことにより、私は近所の悪ガキの
あいだで、一目置かれる立場になれたのです。
念のためにいうと、一応、私、女の子ですよ。
あ、これじゃあ、「Y君が私によって困ったこと」ですね。
でも、この後、焼肉屋の息子が、絡んでくるのです。
夏休みの終わりも近いある日、焼肉屋の息子のDが、我が家にやっていました。
当時、私は小学生です。当然ながら、「在日」という存在は、様々な意味で、
私の知識の範囲外でした。
Dとは同学年ですが、同じクラスになったことはありません。
どこから話を聞きつけたのか、「クワガタムシを見せろ」といいます。
ろくに話をしたことも無かったのですが、特に断る理由もないので、見せました。
Dは、しばらく大人しく見ていましたが、突然、
「そのクワガタを自分によこせ」と言い出しました。
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628 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:18:07 ID:HiGa8C20
例の超大型のノコギリクワガタです。
一応言っておくと、当時、小学生の間で、クワガタや食玩、文房具、お菓子など
物々交換による「取引」は結構あったように思います。
しかし、Dは、自分は何も出さず、ただ「よこせ」です。
当然、断りました。
子供心にも「なんて図々しい」と思いましたよ。
Dは不機嫌になり、なにやら怒鳴りながら帰っていきました。
次の日、またもDがやってきて、とんでもないことを言い出しました
「そのクワガタは、元々俺の家にいたものだ。
お前(3月)が、俺の家から盗んだのだろう。返せ」です。
私は、さすがに怒りました。
このときはY君もいたので、このクワガタを私と一緒に採ったことを話し、
盗んだものではないと説得しましたが、Dは聞き入れず、またも不機嫌に
怒鳴りながら帰っていきました。
Y君は、このことを私の親に話しました。
私は、そんなことはして欲しくなかったのですが、後で考えると、
これが良かったのです。
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631 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:19:41 ID:HiGa8C20
さらに次の日、Dは自分の母親を連れて、私の家にやってきました。
当初、私は母親が謝りに来たのだと思ったのです
「Dがバカなことを言って、ご迷惑をかけました」という風に。
でも、違いました。その母親の言ったのは
「そのクワガタは、確かにDが飼っていたものだ。逃げ出したのに違いない。
それをあなた(3月)が捕まえたのだろう。保護してくれてありがとう。
でも、元々はDのものだから、返してね」
といいうことでした。
もう、唖然としましたね。
私が断ると、母子そろって火病。
「『盗んだ』ことに目をつぶって、穏便にすましてやろうというのに、断るとはなんだ」
といった具合です。
大人に怒鳴られるのは、さすがに驚きました。怖かったです。
しかし、ここで私の父が登場。こちらも激怒しています。
「家の娘は悪戯もするが、人様のものを盗んだりしない。
何の証拠も無く、他人のものを取り上げようというのか」
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633 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:21:35 ID:HiGa8C20
初めて親はありがたいと思いました。
そして、普段、親の言うことを聞かない自分の行動を少し反省。
私の実家は旧家ですので、田舎では、多少は政治的な力もあります。
それを知っているのか、Dの母親は豹変。
謝りこそしませんでしたが、Dを連れて、にこやかに去っていきました。
ここまでなら、まあ、笑い話で済む話だったのですが。
さらにさらに次の日。
私が座敷で昼寝をしていると、庭に人の気配がします。
起きてみると、手に何か持っているDが、我が家の中庭に勝手に 入っていきます。
いやな予感がした私は慌てて、奥にいた父に知らせ、一緒に中庭に入ってみました。
すると、そこには、スプレー式の殺虫剤を手にしたDの姿が。
Dは、逃げ出そうしましたが、父に捕まりました。
しかし、時すでに遅く、私の大事な、カブトムシ・クワガタは全て、
Dの殺虫剤によって、死んでいました。
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636 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:23:12 ID:HiGa8C20
書いていて、死ぬ直前の弱々しく足を動かす虫たちを思い出して、
胸が痛くなってきます。
これ以上は、詳しく書きたくありません。
その後、私は虫集めをやめました。
正直言って、悲しい苦しい思い出です。
後で聞いた話では、Dは、前日のことを母親に、かなり厳しく叱られたらしいのです。
彼の母親に彼を叱る資格はないと思うのですが、とにかく、こっぴどく叱られたのです。
Dの頭の中がどうなっているのか分かりませんが、それが理由で、私のクワガタ・
カブトムシを逆恨みして、殺したようです。
この事件は、さすがに問題になり、小学校でも地域の自治会でも、様々な話し合いが
もたれたのですが、子供の私には、もう関係の無いことでした。
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638 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:25:14 ID:HiGa8C20
Dは、特に処分を受けなかったと記憶しています。
新学期には、当たり前の顔で登校してきました。
子供の間で、完全に嫌われていましたが。
以上が子供のころの、在日にまつわる、私の思い出です。
暗い話で、すいません。
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639>そいつは今どうしてますか?
641 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:28:53 ID:HiGa8C20
>639さん
Dについては知りませんし、知りたくもありませんが、
実家の焼肉屋は、ずいぶん前に潰れています。
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648 名前:3月の騒ぎ ◆N9cmoe2A0A 投稿日:2005/05/27(金) 15:45:38 ID:HiGa8C20
これが、犬や猫だったら大騒ぎで、Dも処分されたのかもしれませんが、
虫ではペットみなしてくれないんでしょうね。
そういえば、Dが「どうせすぐ死ぬだろう」といってました。