690 名前:70-431 ニダーシステム 1/5 投稿日:2005/04/06(水) 12:25:09 ID:IzRwXcHN
それでは、ケンチャナヨシステムのお話です。
まずはうちがわずかとはいえ、被害を受けた時の話です。
某ファイル交換ソフトが大きな業界的な脅威といわれて久しいとある日。
うちに、日本有数のソフトメーカーから打診が入りました。
「業界スタンダートとなるファイル交換ソフトを作成し、会員制の配信サイトをつくり、
ソフト供給を行う新システムを開発するので、そこに参加しないか」と。
要は低会費で、各ソフトメーカーの過去の資産である過去のソフトをダウンロード販売できる
システム(もちろん会員制です)を作るので、参加しないかという話です。
システムはすべて某ソフトメーカーが開発、うちはそのシステムに合わせてローカライズを
行えばよいという話。しかも、移植のためにそれなりの額の資金提供が出るというのです。
うちでも過去のソフト資産はありますし、当然ながらソースも素材も開発担当したプログラマも
確保しているので、通常の移植作業に比べて(移植専門のソフトハウスが行うのに比べて)
手間はかなり軽減されます。さらに、ロットアップした古いソフトで多少でも金が稼げるなら
悪い話ではないと考え、話を聞くことになりました。
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691 名前:70-431 ニダーシステム 2/5 投稿日:2005/04/06(水) 12:26:34 ID:IzRwXcHN
そして、そのプロジェクトの担当者と、システム開発責任者が来社。
経営陣としては気になるのは移植費用と配信後のライセンス料その他の金銭面。
開発担当としてはどのようなシステムを組み込むかによって、ローカライズの手間が変わるので、その確認。
とある事情により同席する私が気になるのは、ダウンロードしたソフトを勝手に再配布されないように
さまざまなセキュリティが必要になるはずなので、その面の確認。
さて、来社したのは某ソフトメーカーの開発部長。そして、妙に偉そにふんぞり返った若造。
そして、名刺交換をすると……
「ソフトメーカー 第○開発部
システム開発○課 主任 安田 武鉉(仮名)」
ここまではまぁ、普通。名前の読み仮名が、なぜか
アン ムヒョン(仮:ハングル併記)
であることを除けば。
そう、開発責任者は <,,`∀´,> でした 。
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692 名前:70-431 ニダーシステム 3/5 投稿日:2005/04/06(水) 12:27:57 ID:IzRwXcHN
すでにKの国の斜め上ぶりを知っている我々は内心頭を抱えます。
もはや事前準備した、こちらから確認しようと思っていた案件などはすべて銀河のかなたに
押しやられます。少なくとも、私の頭は、
「いかにして角を立てずに断るか」
「もし受けるならどんなセキュリティを張るか」
「金銭面でトラブルが起きないように契約書で追加すべき事項は何か」
といった方面に完全シフト。
そうとは知らず、部長さんはこのプロジェクトの可能性と、いかにこのプロジェクトの成功が
ソフトの流通とソフトメーカーの資産保護に貢献するか、といった薔薇色の未来を語ります。
一方、<,,`∀´,>は仏頂面。
「何で私がこんな小さなメーカーへの説明に顔を出さねばならないニダ!」
といいたげな表情。というか、実際に口にするし。
悪かったな、弱小ソフトメーカーで。
慌てて部長さんがフォローに入ります。
「安田君(仮)は韓国でも有名なソフトメーカーで修行を積み云々」
「システム構築に関しては韓国でもトップクラスの技術者で云々」
「IT大国の韓国の先端技術者との交流は日本のSE、PGにとっても大きな刺激となり云々」
「特に、ネット上でのデータ交換、セキュリティ関連システムに通暁しており云々」
「その後もアメリカや日本のメーカーをいくつも渡り歩いて実績を云々」
「そのためにやや日本語の言い回しに不自然な点や、失礼とも取れる部分があるかもしれないが勘弁して欲しい云々」
いや、部長さん。奴の言い草は「言い回しに不自然な点」とか「失礼とも取れる部分」といった
レベルではないのですがそこはスルーですか。
ついでに言えば、対人交渉能力のない人間どころか、日本語が不自由な人間をプロジェクトの
重要部位に置くのは戦う前から敗北決定ですがそこもスルーですか。
というか、奴が通暁している「データ交換技術」って何か聞きたくてたまらないのですが。
その後、ニダーは無言。
もちろん、こっちもほとんど無言。
居たたまれなくなったか、部長さんはプロジェクトの概要資料その他を置いただけでそそくさと
帰っていきました。
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694 名前:70-431 ニダーシステム 4/5 投稿日:2005/04/06(水) 12:33:43 ID:IzRwXcHN
彼らが去っていったあとで。
私 「社長?」
社長 「皆まで言うな。システムは向こうが責任持って作ると明言しているし、開発費は
半額前払いだから、受けとけ」
開発部長 「あの若造が作るシステム次第だな。コケたときに備えて」
プログラマ「わかってます。前払い分以上の仕事はぜず、あとはシステム完成まで放置で」
社長 「ああ、わかってると思うが契約書には」
私 「ええ、このプロジェクトが先方の事情で中止になった際は」
一同 「「「「違約金を支払ってもらうという条項を入れておく、ということで」」」」
その後の経過についてはいうまでもないかと。
こっちは期限までにきっちり、システム組み込み前までのデータを作成し、検品納品まで済ませました。
さらに、適度な間隔を置いてニダーシステムの進捗状況について先方に確認を取ります。
対応は、一昔前の蕎麦屋の出前でした。
あえて触れるとすれば、システム完成予定日を3ヶ月以上オーバーしてあがってきた
α 版 の システムを確認したうちのプログラマの名言をご紹介するにとどめましょう。
「ゲームクリエイター養成学校の生徒が、卒製でうぃにーを真似したらこんなプログラムになるんじゃね?」
結局プロジェクトは、プレス公開前にお蔵入り。
うちの被害といえば、開発費用の後半部分を取り損ねた(これは事前想定済み)のと、契約時に
滑り込ませておいた違約金条項に従った違約金の取り立てに手間取ったくらいでしょうか。
事前準備と心構えをしていたため、被害らしい被害を受けずに逃げ出すことに成功したわけです。
うちに関してはこの程度で終わりました。
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695 名前:70-431 ニダーシステム その5 もしくは、その後 投稿日:2005/04/06(水) 12:43:17 ID:IzRwXcHN
それからしばらくたって。我々の耳に、とあるプロジェクトの話が舞い込みます。
某大手ソフトメーカー兼ハード供給メーカーが、出資会社を立ち上げるというのです。
主業務は、懐ゲをローカライズしてダウンロードできるシステム。
さらには、ロンチで新作ソフトをも同時リリース予定とか。
資本元にはメインとなる某ハード供給メーカーだけでなく、某大手ソフトメーカーや流通大手と
いった錚々たる面々。さらには、後に某球団を買収することになる企業までも名を連ねています。
予想通り・・・どころか、その出資会社。システムの 稼 動 前 に 破 産 宣 告 したそうです。
理由は
シ ス テ ム 開 発 が 2 年 経 っ て も
終 わ ら な か っ た か ら _| ̄|○ マタカヨ
立ち上げから2年間、本社のスタッフ人件費等の維持費用だけでなく、ソフトを発注した
参加各社へのローカライズ開発費、新作ソフトの開発費などの投資持ち出し の み が
発生していたためです。
事情通によれば、破産宣告時、口座には5桁ほどしか残金がなかったとか。
普通はその前に何とかするんでしょうが、やっぱり大手が多数関わりすぎて、お互いの
面子やら何やらで身動きが取れなかったのではないかと。
さらにいえば、内部プロジェクトだったから、以前まったく同じことを考えて失敗した
メーカーがあるって知られてなかったんでしょうね。
あそこ、情報に関してすげーーー厳しいし。
なお、噂ではシステム開発担当はやっぱりKの国の人間だったそーです。
さらにいえば、開発の基幹要員に例の安田君(仮)も や っ ぱ り 関わっていた模様です。
気をつけましょう。安田君は今もこの業界にいるはずです。
明日はあなたの企業に、
「IT先進国から来た、日本でも多数のシステム開発に関わったトップ技術者」
が来るかもしれません。
どっとはらい。
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696 名前:70-431 投稿日:2005/04/06(水) 12:46:59 ID:IzRwXcHN
以上、長々と失礼しました。
そろそろ時効かと思って書きましたが、一部、やばすぎてぼかした部分もありますので、ご承知ください。
やっぱりKの国に関わるとろくなことはないです。