研修医のバイト君

370 名前:Mの肖像 投稿日:04/06/15 02:46 ID:yYgIHIGk


嗚呼、人様の災難をワクワクしながら見ていたバチがあたったのでしょうか? 
まさか自分が報告者になろうとは・・・ 
(病院・医者板よりもこちらの方が相応しいと思い、お邪魔します。 
 つまんなかったとしても怒らないでね。) 

私、医者をしております。ウチの病院は150床ほどの小規模病院でして、医者の数も
診療科もそれほど多くはありません。そんなもんで当直の順番も結構廻ってくるのです。
体がキツイこともあって、それぞれの医者がつてを頼って、後輩にバイトの当直を
定期的にお願いしているのです。 

バイトに来る若手はその時々で変わりますが、一昨日(日曜)のバイト君は整形外科医の
若手君でした。 

なにやら自信満々の様子です。それが専門外の疾患であっても・・・ 

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371 名前:Mの肖像 投稿日:04/06/15 02:48 ID:yYgIHIGk


患者様は腹痛を主訴として日曜の午前4時頃に来院されました。 

表情は苦悶様だったそうです。バイト君の診断は「急性腹症」です。 
これは「腹痛などの腹部症状が強く、手術をも視野に入れて対応すべき急性の腹部疾患の
総称のようなもの」です。早い話が、緊急のお腹の病気なわけです。

ウチの病院では休日・夜間の検査や手術などの緊急の対応が困難な事情があり、
バイト君は他の大きな病院へ搬送するんだと張り切っていました。
(ここまでのバイト君の対応は極めて当然です。急性腹症と診断したからには
 のんびりしていてはいけません。ましてや日曜の早朝。) 

彼と一緒に患者様に対応していた当直看護士が「ここは一つM(私)に連絡を取って
みては?とバイト君をなだめ、そして私が呼び出されたという次第。
急いで駆けつけました。一通りの問診と診察を経て、以下は私とバイト君の会話です。
(私の診断は便秘。診断が異なっていたため彼のプライドが傷ついていた模様です。) 

私「とりあえず浣腸をしてみようよ。」 
バ「浣腸なんかしたら余計に悪くなる!(この段階でケンカ腰です)」 
私「浣腸する価値があると思うよ。」 
バ「こんなに痛がっているんだ。手術が必要だっ!」 
私「腹痛の強さに波があるようだしねぇ、それに腹膜刺激症状(重症度を判定する 
  目安と大ざっぱに考えて下さい)も無いしねぇ。」 
バ「左下腹部のマス(塊)をどう説明するんだっ!」 
私「そのマスは移動しているし、圧迫によって変形するよ。便塊でしょ。 
  最近は排便も無かったみたいだしね。」 
バ「癌かもしれないじゃないかっ!」 
  (おいおい、患者様・家族の前で軽々しく癌と言うのかよ。) 
私「この子、まだ3歳だよ。(この年齢の結腸癌は稀)」 

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372 名前:Mの肖像 投稿日:04/06/15 02:51 ID:yYgIHIGk


結局は浣腸一発でその子は晴れ晴れとした顔でお帰りになりました。 
ま、便秘ではない可能性だってあったわけなんですけどね。 

それにしても、バイト君のあの態度は、自分の診断を如何に強弁するか 
どうかしか考えない」というものに感じられました。(医学生の時の 
精神科の授業で出てきた「訂正不能」という言葉を思い出しました。) 
浣腸後の患者様の状態を見ても 

「こんなのたまたまだ。1時間もすればまた具合が悪くなるに決まってる。」 

と言っておりました。勿論、患者様とその親御さんの目の前で、です。 
怖くなった私は、この日曜の日中の急患を当直でなくても全て自分で対応 
したのでした。バイト君のプライドなんてもう気になりませんでした。 

はい、バイト君の名前は彼の国の人のものでした。 
日本人にもこういう傾向のある人がいるかもしれませんけど、ここまで強烈なのは、
今回が2度目です(1度目も彼の国からの人)。 
お目汚し、失礼しました。 

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376 名前:Mの肖像 投稿日:04/06/15 03:23 ID:yYgIHIGk


絞扼性イレウスって発想はなかったんでしょうね。<バイト君 
小児ならそっちの可能性の方が高いんですけどね。 
「strangulationかもしれないから浣腸はするな」 
と言ってきたら「おっ!」と思ったんですが、残念賞です。 
こういう時は、休日夜間でも気軽に画像診断できる施設が羨ましいですよ。 
ちなみに「1回目の強烈な彼の国からのDr」のケースが癌絡みでした。 

昨日はそのバイト君の先輩(彼を呼んだヤツ)にそれとなく話しておき 
ました。もう呼ばないと思います。 

P.S. 
colon-colonのinvagiは未だに見たことがありません。ileo-colonばかり 
です。私、ツイてますか? 

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378 名前:Mの肖像 投稿日:04/06/15 03:33 ID:yYgIHIGk


何度もすみません、これで最後にします。 
>>375 
ええ、在日さんDrを何人も知ってます。(日本国内) 
彼らの名誉のために言っておきたいのですが、私の知る在日Drのほとんどが 
立派な人たちです。電波率が非常に低いです。 
「自分もかくありたい」と思わせるほどの素晴らしい人たちでした。 
それだけに少数の訂正不能のケースが(私の経験上)目立った、というわけ 
です。もう、思い込んだら命がけって感じで・・